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高付加価値旅行市場に異変:中国から米国へ──訪日免税店が今考えるべき対応とは?
2025年6月、日本政府観光局(JNTO)が発表した最新調査により、世界の高付加価値旅行市場において大きな変化が明らかになりました。これまで最大シェアを誇っていた中国に代わり、米国が世界シェア1位に。しかも、市場全体の約1/4(23.5%)を占める規模にまで拡大しています。 このトレンドは、訪日旅行市場にも直結しており、免税店にとっては今後の戦略を見直す大きな転換点となりそうです。
世界の富裕層市場に何が起きているのか?
調査によると、世界の高付加価値旅行市場(1人あたり消費額100万円以上の旅行者)の構成比は以下のように変化しています
2019年:中国31.5%、米国17.4%
2023年:米国23.5%、中国13.5%
中国の減少には出入国制限などの影響が大きいとされますが、それにしても米国のシェアの伸びは注目に値します。訪日旅行者数に限っても、米国からの高付加価値旅行者は30.0%と1位になりシェアが上昇しており、彼らの購買行動が免税店の売上に与える影響は今後ますます大きくなるでしょう。

免税店が取るべき3つのアクション
✅ アクション①:英語対応と“米国人が買いたくなる接客”の強化
米国の高付加価値旅行者は、「価値があるからお金を払う」傾向が強いのが特徴です。免税店では、以下の対応が求められます:
英語でのストーリーテリング型接客
「このお酒はどんな製法か」「この工芸品にはどんな文化が込められているか」といった背景を語れるスタッフ育成が鍵。
店内表示や手続き案内の英語化
購入時の不安を取り除くため、「免税条件」「人気商品の特徴」「支払い方法」などの英語POPが重要です。
米国仕様の決済環境整備
Amex、Discoverなど米国で主流のカードに対応することで、購買率を高める一因となります。
✅ アクション②:高単価商品+体験価値の提案
米国富裕層は「旅の思い出になるもの」「人に語れる価値あるモノ」に惹かれます。免税店では、以下のような工夫が効果的です
日本文化や職人技に触れる“体験”のある売り場作り
限定品や地域限定デザインの打ち出し
「日本でしか手に入らない」希少性を前面に
✅ アクション③:データを活用した商品構成の見直し
POSや免税販売のデータを活用し、「どの国の誰が、どんな商品を、いくらで、いつ買っているか」を分析することで、商品ラインナップの最適化が可能です。
「売れている商品」から「なぜ売れているのか」へ、視点をシフトすることで、米国市場の売上最大化につながります。
PIE VATの加盟店であればダッシュボードで確認ができます。
質の時代へ──訪日観光は「単価」で勝負する
2023年の訪日高付加価値旅行者は、全体のわずか2.4%でありながら、消費額全体の19.1%を占める存在です。つまり、“1人の価値”が極めて大きい層ということ。
客数を追う時代から、「客単価」重視へと舵を切る今、免税店もより戦略的な対応が求められます。
✔ 最後に:高付加価値旅行者に対応した免税業務、見直しませんか?
PIE VATでは、米国をはじめとした高付加価値旅行者に最適化された免税販売対応を、POS・免税システムの両面からサポートしています。
制度対応・業務効率・顧客満足の3つを両立するソリューションで、御社の免税業務を一歩先へ。