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【2026年11月】免税制度の変更点まとめ|店舗の対応を解説

2026年11月1日から、外国人旅行者向けの消費税免税制度が「リファンド方式」に移行します。店頭で消費税を差し引いて販売する現在の仕組みは終わり、いったん税込で販売したうえで、出国時に税関の確認を受けてから消費税相当額を返金する流れに変わります。この記事では、免税制度の変更点を比較表で一覧にしたうえで、販売時・購入記録情報・免税店の区分・税関確認後の実務が具体的にどう変わるのかを、観光庁・国税庁の一次情報をもとに整理しました。準備の抜け漏れチェックにご活用ください。
この記事のポイント● 2026年11月1日の販売分から、免税店は税込(課税)で販売し、出国時の税関確認後に消費税相当額を返金します。 ● 現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はなく、11月1日以降の販売はすべて新方式が適用されます。 ● 一般物品と消耗品の区分、消耗品の購入上限(50万円)、特殊包装、用途要件は廃止されます。一方で下限金額5,000円は変更ありません。 ● 購入記録情報に「税抜単価100万円以上の商品情報詳細」が追加され、購入者への説明事項も差し替えが必要です。 ● 一般型免税店と手続き委託型免税店の区分が統合され、電子化未対応の免税店は2026年10月31日をもって許可の効力を失います。 ● 税関確認情報の取得、返金対応、課税売上げから免税売上げへの振替処理という新しい業務が発生します。 |
1. 結論:2026年11月1日から免税販売は「リファンド方式」になります
もっとも大きな変更点は、免税が成立するタイミングです。現行の輸出物品販売場(免税店)制度では、免税店が免税購入対象者に対して一定の方法で商品を引き渡した時点で消費税が免除され、税抜価格で販売できます。
これに対してリファンド方式(輸出物品販売場制度における新たな免税方式。以下「リファンド方式」)では、免税店はまず税込価格(課税)で販売します。その後、購入者が出国時に空海港の税関で商品の持ち出し確認を受け、免税店が購入記録情報と税関確認情報を保存することで免税の適用を受け、購入者へ消費税相当額を返金(リファンド)します。
つまり「売った時点で免税が確定する」制度から、「出国時の確認をもって免税が確定する」制度へ変わる、という理解が出発点になります。
国税庁は「現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はありません」と明記しています。2026年11月1日以降に免税店で行う譲渡(販売)から、すべて新しい方式が適用されます。
開始日と全体スケジュールはリファンド方式はいつから?2026年11月1日開始のスケジュールを解説もあわせてご覧ください。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf/観光庁『【免税店向け】新制度(リファンド方式)に関する情報<2026年11月1日から>』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00019.html(2026年9月13日閲覧)
2. 免税制度の変更点まとめ【現行制度とリファンド方式の比較表】
まず全体像です。観光庁「手続の変更点(比較表)」と国税庁の税制改正リーフレットをもとに、実務で影響の大きい項目を整理しました。
項目 | 現行制度(〜2026年10月) | リファンド方式(2026年11月1日〜) |
|---|---|---|
販売時の価格 | 免税(税抜)販売 | 課税(税込)販売 |
物品の区分 | 一般物品と消耗品を区分 | 区分を廃止 |
消耗品の上限・包装 | 購入上限50万円、特殊包装が必要 | いずれも廃止 |
用途要件 | 通常生活の用に供する物品であること(事業用でないことの確認) | 廃止(ただし出国時に自ら所持して持ち出せる数量に限られる) |
下限金額 | 同一店舗1日あたり税抜5,000円以上 | 変更なし(区分せず税抜価額で合算判定) |
免税対象外の物品 | 事業用・販売用と明らかな物品/金・白金の地金/非課税物品 | 金及び白金の地金/金貨及び白金貨/非課税物品 |
日本人一時帰国者の書類 | 旅券+戸籍の附票の写しまたは在留証明(本籍の記載が必要) | 旅券+戸籍の附票の写し・在留証明・マイナンバーカードのいずれか(本籍の記載は不要/写し等の保存も不要) |
各種上陸許可書 | 上陸許可書のみ | 旅券と上陸許可書の両方を確認 |
購入者への説明事項 | 輸出目的・旅券提示・徴収に関する説明 | 90日以内の税関確認と返金/物品提示/持ち出さない場合の徴収と罰則 |
購入記録情報 | 送信が必要 | 送信が必要(税抜単価100万円以上は商品情報詳細を追加。商品分類等の任意項目も追加) |
免税店の区分 | 一般型/手続委託型/自動販売機型 | 一般型と手続委託型を統合。許可要件も見直し |
免税店の移転 | 移転後の販売場について改めて許可が必要 | 変更届出書の提出で移転可能 |
税関確認後の対応 | - | 税関確認情報の取得と返金、課税売上げから免税売上げへの振替処理 |
直送制度 | 消費税法第8条により免税 | 消費税法第7条(輸出免税)により免税。免税販売手続・購入記録情報の提供は不要 |
罰則等 | - | 輸出しなかった場合の罰則規定を創設、税関による即時徴収規定を整備 |
次の章から、店舗オペレーションへの影響が大きい順に一つずつ見ていきます。
観光庁『手続の変更点(比較表)』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/content/001977883.pdf/国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf(2026年9月13日閲覧)
3. 変更点①販売時:税抜(免税)販売から税込(課税)販売へ
レジ回りで最初に効いてくる変更点です。2026年11月1日からは、免税購入対象者に対しても、日本人のお客様と同じように税込価格で会計します。
会計そのものはシンプルになる一方で、店頭では次の対応が新たに必要になります。
価格表示・レジ運用を税込前提に見直す(免税レーンでの税抜精算がなくなる)
「今は税込でお支払いいただき、出国時の税関確認後に返金されます」という説明を、多言語で行えるようにする
返金方法の登録が必要になる場合の案内手順を、会計フローに組み込む(具体的な案内の要否・方法は、返金手続を委託する事業者と相談して決めます)
お客様にとっては「その場で安く買えない」という体験の変化になるため、説明の巧拙がそのままトラブル件数に直結します。店頭掲示物とスタッフ用トークスクリプトは、施行前に用意しておきたいところです。
レジまわりのシステム面を見直す場合は、免税とPOSの連携とは?メリットと対応システムの選び方を解説が参考になります。
観光庁『【免税店向け】新制度(リファンド方式)に関する情報』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00019.html/観光庁『免税店向け よくある質問(リファンド方式)』問20 https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00024.html(2026年9月13日閲覧)
4. 変更点②対象物品:区分・上限・特殊包装・用途要件は廃止、下限5,000円は据え置き
実務負担が明確に軽くなるのがこの部分です。
廃止されるもの
一般物品と消耗品の区分
消耗品の購入上限額(50万円)
消耗品の特殊包装(専用袋による封入)
通常生活の用に供するかどうかの要件(いわゆる用途要件。事業用でないことの確認)
区分がなくなることで、購入下限額(5,000円)の判定も一般物品と消耗品を区分せず、税抜価額により行います。包装作業や用途のヒアリングもなくなります。
変わらないもの・新たに注意が必要なもの
下限金額は変更なし。同一店舗における1日の購入額(税抜)が5,000円以上であることが条件です
免税対象物品に含まれないものは、金及び白金の地金、金貨及び白金貨、消費税が非課税とされる物品です
用途要件はなくなりますが、購入できるのは「出国時にその全てを自らが所持して持ち出すことができる数量」に限られます
なお、特殊包装がなくなっても、飲食料品や化粧品などの消耗品を国内で消費してしまった場合は税関の確認を受けられません。「封をしないので使ってよい」という意味ではない点を、購入者に伝える必要があります。
また、18金やプラチナのみの地金ネックレスなど、金・白金の地金を原材料とした加工製品は免税対象物品になります。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf/観光庁『免税店向け よくある質問(リファンド方式)』問3 https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00024.html(2026年9月13日閲覧)
5. 変更点③免税購入対象者の確認書類:マイナンバーカードが追加されます
本人確認まわりも変更があります。特に、国外に2年以上居住している日本国籍の方(一時帰国者)の確認書類が拡充されます。
区分 | 現行制度 | リファンド方式 |
|---|---|---|
短期滞在・外交・公用で在留する者 | 旅券を確認 | 変更なし |
日本国籍で国外に2年以上居住する者 | 旅券+①戸籍の附票の写し ②在留証明(本籍(地番含む)の記載が必要) | 旅券+①戸籍の附票の写し ②在留証明 ③マイナンバーカードのいずれか(本籍の記載は不要) |
船舶観光・乗員・緊急・遭難による上陸許可で在留する者 | 上陸許可書を確認 | 旅券と上陸許可書の両方を確認(船舶観光上陸許可の場合は旅券の写しの提示を含む) |
寄港地・通過による上陸許可で在留する者 | 旅券を確認 | 変更なし |
マイナンバーカードを使う場合は、国外に転出した旨の記載があるものに限られます。また、確認は原本に限られ、コピーや写しでの確認は認められません。スマートフォンのマイナンバーカードの提示を受けた場合は、デジタル庁の「マイナンバーカード対面確認アプリ」などの確認用プログラムを通じて内容を確認する必要があります。お客様自身のウォレットアプリの画面を見せてもらうだけでは、提示を受けたことになりません。
購入記録情報に設定する内容も、「証明書類の種類及び国外転出予定日(又は国外定住日)」の2項目に緩和され、証明書類の写し等の保存は不要とされます。なお、国外に2年以上居住していることの確認は、証明書類のいずれであっても国外転出予定日(又は国外定住日)から最終入国日(旅券に記載された上陸年月日)までの期間で行います。在留証明・戸籍の附票の写しは、現行制度と同様、最終入国日から起算して6月前の日以後に作成されたものに限られます。
対象者の判定そのものに迷う場合は、免税対象の「非居住者」とは?判定フローチャートで条件を完全網羅をご確認ください。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf/観光庁『免税店向け よくある質問(リファンド方式)』問1 https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00024.html(2026年9月13日閲覧)
6. 変更点④購入記録情報:税抜単価100万円以上は「商品情報詳細」を送信
購入記録情報を国税庁の免税販売管理システムへ送信する点そのものは変わりません。追加されるのは、高額商品の取り扱いと任意項目です。
税抜単価100万円以上の商品は、商品の具体的な名称、ブランド名、型番号、形状・色彩等の特徴、鑑定書(鑑別書)や保証書付きである旨などを組み合わせた「商品情報詳細」を必須項目として送信します。シリアル番号が付された腕時計のような商品は、これに加えてシリアル番号も設定します
商品情報詳細は、税関職員が商品を特定できることが目的です。時計やバッグであればブランド名・モデル名・型番号・色が基本となり、形状やサイズはそれらより優先度が下がります
美術品や宝石の原石など、型番号がなく形状やサイズ以外に特定材料がないものは、形状やサイズの入力が必要になります
任意項目として「商品分類」と「販売場名称(英語表記)」が追加されます。商品分類は任意ですが、「品名」欄からその商品を特定できない場合、法令上の提供項目である品名が設定されていないものとして、購入者が税関の確認を受けられない可能性があります
高額品を扱う店舗では、レジ担当者が個体情報を入力する運用が新たに発生します。入力ミスは税関での確認に影響するため、入力項目のテンプレート化と検品フローの整備をおすすめします。
なお、購入記録情報を適切に送信しない場合、免税店の許可を取り消されることがある旨が明記されています。システム不具合で送信できなかった場合は、復旧後すみやかに「備考」欄へ事後送信である旨と要因を設定して提供してください。ただし、その時点で購入者が出国済みの場合は税関確認情報が提供されず、免税の適用は受けられません。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf/観光庁『免税店向け よくある質問(リファンド方式)』問5・問6 https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00024.html(2026年9月13日閲覧)
7. 変更点⑤購入者への説明事項:90日以内の税関確認が必須になります
免税販売手続を行う際、購入者へ説明すべき事項が差し替えられます。リーフレットの交付や掲示などの方法で、次の3点を説明する必要があります。
免税対象物品の購入日から90日以内の出国時に、税関で旅券を提示等して確認を受ける必要がある旨
税関の求めに応じて免税対象物品を提示できるようにしなければならない旨
税関の確認を受けた免税対象物品を遅滞なく輸出しなければならず、輸出しなかった場合には、免除された消費税額に相当する消費税を徴収される旨
「購入日から90日以内」は、購入日の翌日から計算して90日目までの期間を指します。たとえば11月1日に購入した物品であれば、翌年1月30日が税関での確認期限です。
あわせて、受託手荷物として預けた後では税関確認を受けられないため、荷物を預ける前に手続きが必要である旨を伝えることが重要とされています。ここを伝え漏らすと、購入者が返金を受けられず、店舗側がクレーム対応を負うことになります。
国税庁は多言語併記版を含む購入者向けリーフレットを公開しています。2026年11月1日以降に販売を行う取引から使用するものなので、現行版との差し替え時期を店舗内で決めておきましょう。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf/国税庁『輸出物品販売場での購入者への説明事項(リーフレット)』(令和8年5月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/format/002.htm(2026年9月13日閲覧)
8. 変更点⑥税関確認後:返金対応と「課税売上げ→免税売上げ」の振替処理が増えます
これまで存在しなかった、販売後の業務です。リファンド方式では、販売して終わりにはなりません。
(1) 税関確認情報の取得と返金
税関での持ち出し確認の結果(税関確認情報)を取得し、それに基づいて購入者へ消費税相当額を返金します。税関確認は購入記録情報1件(1回の販売単位)ごとに判定され、含まれる商品のうち1つでも確認できない場合は、その購入記録情報に含まれるすべての商品が免税になりません。
返金方法について、消費税法令上のルールは定められていません。銀行振込、クレジットカード送金、アプリ送金、税関確認を受けた出国港内での現金返金などが考えられます。免税店が自ら行うほか、承認送受信事業者(購入記録情報の送信や税関確認情報の受領を代行する、国税庁の承認を受けた事業者)などへ返金手続を委託することも可能です。
(2) 会計・税務上の振替処理
商品販売時に課税売上げとした取引は、税関確認情報の保存により免税要件を満たすため、その後に免税売上げへ振り替える必要があります。振替の方法は次の2つが示されています。
税関確認情報の取得の都度、その情報に対応する課税売上げを免税売上げに振り替える方法
月次等の一定のタイミングで一括して振り替える方法
販売を行った課税期間と税関確認情報を保存した課税期間が異なる場合(X1期に販売し、税関確認情報の保存がX2期になった場合など)は、X1期の申告を修正するのではなく、税関確認情報を保存したX2期において調整する方法も認められます。ただし、その処理は継続して行う必要があります。X1期の申告を修正する場合は、「更正の請求書」を税務署長に提出して減額更正を求めることになります。
経理部門にとっては、月次の締め方そのものに影響する変更点です。営業・店舗側だけでなく、経理担当者を早い段階で巻き込んでください。
免税売上げの基本的な会計処理は、免税販売の売上を正しく会計処理する方法|消費税の取り扱いと仕訳を解説で整理しています。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf/観光庁『免税店向け よくある質問(リファンド方式)』問16 https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00024.html(2026年9月13日閲覧)
9. 変更点⑦直送制度:消費税法第7条の輸出免税へ
見落とされがちですが、直送制度(購入者が販売場で運送契約を締結し、その場で商品を運送事業者へ引き渡す方式)の根拠条文も変わります。
現行:消費税法第8条(輸出物品販売場制度)により免税の適用を受ける
リファンド方式:消費税法第7条(輸出免税制度)により免税の適用を受ける
第7条の適用になることで、免税販売手続や購入記録情報の提供が不要になります。下限額5,000円の判定も不要で、販売場は免税店に限られず、顧客も免税購入対象者に限られません。ただし、一定の事項が記載された運送契約書等を納税地または販売場の所在地に保存する必要があります。
なお、旅行者が自ら郵便物等として輸出する「別送」の取扱いは、リファンド方式への移行を待たず2025年3月31日をもって廃止済みです。海外配送を希望されるお客様への案内は、直送制度や輸出免税制度を使う形に整理しておきましょう。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf/観光庁『免税店向け よくある質問(リファンド方式)』問12 https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00024.html(2026年9月13日閲覧)
10. 変更点⑧免税店の区分・許可要件・申請手続の見直し
ここは店舗運営そのものに関わる変更点です。特に1つ目は、対応を怠ると免税販売を続けられなくなります。
(1) 電子化未対応の免税店は2026年10月31日で許可の効力を失います
2026年10月31日までに「購入記録情報の提供方法等の届出書」が未提出の免税店については、同日をもって免税店許可の効力を失うこととされています。自店の届出状況が不明な場合は、早めに所轄税務署へ確認してください。
(2) 一般型免税店と手続委託型免税店の区分が統合されます
現行の「一般型免税店/手続委託型免税店/自動販売機型免税店」のうち、一般型と手続委託型が統合され、リファンド方式では一般型免税店となります(自動販売機型は存続)
2026年11月1日以降、既存の一般型免税店・手続委託型免税店は、新制度の一般型免税店の許可を受けたものとみなされます(上記(1)の電子化未対応の免税店を除く)
手続委託型免税店は、事業者間の現在の委託関係等に変更がなければ、特段の手続なく、現行制度で委託している承認免税手続事業者に免税販売手続を委託して行わせることが可能です
一般型免税店が承認免税手続事業者へ免税販売手続を委託する場合、免税手続カウンターの設置場所は「特定商業施設」内である必要がなくなります(ただし、カウンターで行う免税販売手続は、一般型免税店での販売と同一の日に行う必要があります)
(3) 許可要件の追加と、申請届出手続の簡素化
許可要件は一部が緩和される一方、「免税販売手続や購入記録情報の提供及び税関確認情報の受領を適正に実施するための必要な体制が整備されていること」が新たに追加されます
免税店を移転する場合、現行制度では移転後の販売場について改めて許可が必要でしたが、リファンド方式では変更届出書の提出で移転手続が可能になります
区分ごと・変更内容ごとに分かれていた許可申請書や届出書が統合され、添付書類も簡素化されます(「会社案内」等の提出は不要)
許可の取消要件に、購入記録情報に不備または不実の記録があることなど「税関長の確認に支障があると認められる場合」が追加されます
あわせて、税関の確認を受けた免税対象物品を遅滞なく輸出しなかった場合の罰則規定が創設され、税関による即時徴収規定も整備されます。
許可申請の流れそのものは、免税店の許可申請ガイド!条件や流れ、2026年改正の注意点を解説で詳しく解説しています。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf(2026年9月13日閲覧)
11. 変更点を踏まえて、店舗が今から進めたい準備チェックリスト
ここまでの変更点を、準備タスクの形に置き換えたものが下の表です。自店の状況に合わせてご活用ください。
準備項目 | 確認すること |
|---|---|
①電子化対応の確認 | 「購入記録情報の提供方法等の届出書」を提出済みかを確認する。2026年10月31日までに未提出の場合、同日で免税店許可の効力を失う |
②システム対応 | 利用中の承認送受信事業者へ連絡し、リファンド方式への対応時期・改修内容・費用を確認する。自社システムで購入記録情報を送信している場合は、直接返金するか返金手続を委託するかを決める |
③返金方法の決定 | 銀行振込・カード送金・アプリ送金・出国港内での現金返金などから自店に合う方法を選ぶ。代行業者に委託する場合はリファンド手数料の負担者(旅行者か店舗か)も取り決める |
④会計処理の設計 | 振替処理を「都度」で行うか「月次一括」で行うかを決め、期をまたぐ場合の対応を経理部門と確認する |
⑤お客様への案内物 | 国税庁の新リーフレット(多言語)への差し替え、返金方法の案内、店頭掲示物を準備する |
⑥スタッフ教育 | 税込販売への切り替え、90日以内の税関確認、手荷物を預ける前に手続きが必要である点を、全スタッフが説明できる状態にする |
⑦高額品の運用 | 税抜単価100万円以上の商品を扱う場合、商品情報詳細(シリアル番号等)の入力手順を整備する |
⑧許可申請(新規の場合) | リファンド方式開始以降に免税店の許可を受けるための申請書は、2026年10月1日から受付開始。11月1日から営業したい場合は所轄税務署へ事前相談のうえ早めに提出する |
これから免税店を始める場合の全体像は、免税店になるには?許可申請の流れと必要な準備を解説をご覧ください。
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf/国税庁『リファンド方式開始以降に免税店の許可を受けるための申請手続』(令和8年7月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0026006-152_03.pdf(2026年9月13日閲覧)
12. 免税制度の変更点に関するよくある質問
Q1. リファンド手数料は誰が負担するのですか?
A. 返金手続をどのように実施するかについて、消費税法令上のルールは定められていません。旅行者負担とするか店舗負担とするかに特段の定めはなく、委託する代行業者との取り決めによります。諸外国では旅行者負担とすることが一般的とされています。なお、政府が返金手続に係る手数料を徴収することはありません。
Q2. 返金を行うために資金移動業の登録は必要ですか?
A. 返金手続を代行業者に委託する場合、免税店側で資金移動業の登録を受ける必要はありません。一方、免税店が自ら返金手続を行う場合は、資金決済に関する法律に基づく資金移動業の登録が必要となる場合があるほか、犯罪収益移転防止法に基づく本人確認などの対応が必要になることがあります。
Q3. 購入者に返金できなかった場合、免税は成立しますか?
A. 返金できなかった場合であっても、税関確認情報を保存していれば免税の適用を受けられます。返金不要となった消費税相当額は雑益で処理することになりますが、処理までの期間に法令上の定めはありません。トラブルを避けるため、免税販売手続の際に「返金申請がない場合、●日経過した時点で返金できない」といった案内を行い、あらかじめ合意しておく対応が考えられます。
Q4. 免税手続カウンターでの5,000円の合算特例は続きますか?
A. 一の特定商業施設内の複数の手続委託型免税店について、承認免税手続事業者が販売価額(税抜)を合算して下限額以上かを判定する特例は、リファンド方式でも引き続き認められます。また、一般型免税店が自ら手続きを行いながら免税手続カウンターへも委託する「併用」は、2026年11月1日から可能です。
Q5. 輸出酒類販売場制度や外国公館免税制度も変わりますか?
A. 輸出酒類販売場制度も2026年11月1日からリファンド方式へ移行します。一方、外国公館免税制度については改正がなく、引き続き税抜価格(免税)で販売できます。ただし、外交や公用の在留資格を有する非居住者に免税店制度で販売する場合は、リファンド方式に対応する必要があります。
観光庁『免税店向け よくある質問(リファンド方式)』問13・問14・問15・問17〜問23 https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00024.html/国税庁『輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し(返金手続について)』https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/format/002.htm(2026年9月13日閲覧)
まとめ:免税制度の変更点は「販売後」に業務が増えることが本質です
2026年11月1日から、免税店は税込(課税)で販売し、出国時の税関確認後に消費税相当額を返金します。併用する移行期間はありません
一般物品と消耗品の区分、消耗品の50万円上限、特殊包装、用途要件は廃止。下限5,000円は変更ありません
確認書類にマイナンバーカードが加わり、購入記録情報には税抜単価100万円以上の商品情報詳細が追加されます
一般型と手続委託型の区分が統合され、電子化未対応の免税店は2026年10月31日で許可の効力を失います
税関確認情報の取得・返金・振替処理という新しい業務が発生するため、店舗だけでなく経理部門を含めた準備が必要です
制度の詳細や適用条件は今後も更新される可能性があります。最新情報は国税庁・観光庁の公式サイトでご確認いただき、個別の税務判断については所轄税務署や税理士等の専門家へご相談ください。
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参考文献
国税庁『輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します』(令和7年4月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf
国税庁『輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し』https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/format/002.htm
国税庁『輸出物品販売場制度 リファンド方式について』(令和7年12月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025012-025_01.pdf
国税庁『輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式・概要編)』(令和8年4月改訂)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025012-025_02.pdf
国税庁『輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式)』(令和8年7月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0026006-152_01.pdf
国税庁『リファンド方式開始以降に免税店の許可を受けるための申請手続』(令和8年7月)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0026006-152_03.pdf
観光庁『【免税店向け】新制度(リファンド方式)に関する情報はこちら<2026年11月1日から>』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00019.html
観光庁『手続の変更点(比較表)』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/content/001977883.pdf
観光庁『免税店向け よくある質問(リファンド方式)』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00024.html
観光庁『【旅行者向け】新制度(リファンド方式)に関する情報はこちら<2026年11月1日から>』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00021.html
※本記事は2026年9月13日時点で公表されている情報に基づいています。2026年11月1日施行予定の内容を含むため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

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