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【完全ガイド】インバウンド対策とは?店舗の受け入れ体制を解説

訪日外国人の増加が続くなか、「インバウンド対策を始めたいが、何をどこまでやればいいのか分からない」という店舗様の声をよく耳にします。インバウンド対策とは、訪日客を気持ちよく迎え、満足して帰っていただくための受け入れ体制づくりの総称です。本記事では、多言語・キャッシュレス・免税という3本柱を軸に、現場で取り組むべき対策を整理し、2026年11月の免税制度改正への備えまでをまとめました。優先順位をつけながら、一緒に準備を進めていきましょう。
この記事のポイント
インバウンド対策の3本柱は「多言語対応」「キャッシュレス決済」「免税対応」です。
すべてを一度にやろうとせず、自店のターゲットと提供価値から優先順位を決めます。
免税対応は2026年11月1日にリファンド方式へ移行。現行制度との併用期間はありません。
受け入れ体制の質が、口コミ・リピート・売上に直結します。
1. インバウンド対策とは?「集客」との違いを整理する
インバウンド対策とは、訪日外国人旅行者を気持ちよく迎え、満足して帰っていただくための「受け入れ体制づくり」の総称です。お客様に見つけてもらい来店を促す「インバウンド集客」が入口だとすれば、インバウンド対策はその先で「迎える・対応する」側を担います。両者は車の両輪で、どちらか一方だけでは成果につながりません。
市場の追い風は続いています。日本政府観光局(JNTO)によると、2025年の訪日外客数は4,268万3,600人(前年比15.8%増)と初めて4,000万人を突破し、観光庁の調査では旅行消費額が9兆4,559億円(前年比16.4%増)と過去最高を更新しました。受け入れる店舗側の準備が、この需要を取り込めるかどうかを分けます。
なお、見つけてもらうための施策は、関連記事「インバウンド集客とは?訪日客の売上を伸ばす施策」で解説しています。
参照:JNTO『訪日外客数(2025年12月推計値)』(2026年1月)/観光庁『インバウンド消費動向調査 2025年暦年(速報)』(2026年1月)
2. インバウンド対策の3本柱(全体像)
インバウンド対策は範囲が広く、何から手をつけるか迷いがちです。まずは次の「3本柱」で全体像をつかみましょう。
柱 | なくす壁 | 主な施策 |
多言語対応 | 言葉の壁 | 案内表示・メニュー・指さし会話・AI翻訳 |
キャッシュレス決済 | 支払いの壁 | クレジットカード+QR決済(Alipay/WeChat Pay 等) |
免税対応 | 価格の壁 | 免税店許可・リファンド方式への対応 |
すべてを同時に完璧にする必要はありません。自店のターゲット市場と提供価値を踏まえ、優先順位をつけて取り組むことが、限られた人手と予算で成果を出すコツです。
3. 【対策1】多言語対応:伝わる接客と情報整備
1つ目の柱は多言語対応です。ポイントは、単なる「翻訳」から一歩進んだ「多文化対応」です。
店頭:多言語の案内表示・メニュー・指さし会話シートを用意し、スタッフの語学力に依存しない接客体制を整えます。
デジタル:AI翻訳ツールやQRコードによる多言語情報提供、チャットボットの活用で、人手不足を補いながら対応の質を保ちます。
多文化配慮:ムスリム旅行者向けのハラール対応、ベジタリアン・ヴィーガン表記、アレルギー情報の多言語表示などは、対応しているだけで口コミ評価の向上につながります。
4. 【対策2】キャッシュレス決済:来店判断を左右するインフラ
2つ目の柱はキャッシュレス決済です。決済手段の有無が「入店するかどうか」を左右するケースも増えています。
基本:クレジットカード(Visa・Mastercard)への対応を整える。
QRコード決済:中国のAlipay・WeChat Pay、韓国のKakaoPayなど、ターゲット市場で広く使われる手段を押さえる。
選び方:すべてに対応しようとせず、自店に来る客層が使う決済を優先する。あわせて無料Wi-Fiの整備も、滞在時間と購買機会を伸ばします。
5. 【対策3】免税対応:訪日客を取り込む実務の要
3つ目の柱が免税対応です。免税は「価格の壁」をなくし、購入単価を引き上げる強力な施策です。
現行制度(2026年10月まで)では、非居住者である外国人旅行者に対し、同一店舗・1日あたり5,000円(税抜)以上の購入を、一定の手続きで免税販売できます。免税店であることを多言語で明示するだけでも、来店・購入の動機になります。
ただし、この免税の仕組みは2026年11月に根本から変わります。これからインバウンド対策を整える店舗様にとって、最も重要な変更点です。
参照:国税庁『輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し』/観光庁『消費税免税店サイト(リファンド方式)』
6. 【2026年最新】リファンド方式移行で見直すべき対策
国税庁によると、輸出物品販売場(免税店)制度は2026年11月1日(令和8年11月1日)から「リファンド方式」へ移行します。受け入れ体制の中でも、特に見直しが必要なテーマです。現行制度との主な違いを整理します。
項目 | 現行制度(〜2026年10月) | リファンド方式(2026年11月1日〜) |
販売時 | 税抜(免税)で販売 | 税込(課税)で販売 |
免税の成立 | 店頭手続きで完結 | 出国時の税関確認後に成立・返金 |
物品区分 | 一般物品/消耗品を区分 | 区分を撤廃 |
消耗品の上限 | 1日50万円 | 撤廃 |
特殊包装 | 必要 | 不要 |
主な実務上の見直しポイントは次のとおりです。
返金(リファンド)対応の準備:出国時の税関確認後に消費税相当額を返金する運用が必要です。返金は自社で行うほか、承認送受信事業者等に委託する方法も考えられます。
POS・免税システムの連携/改修:購入記録情報を国税庁のシステムへ正しく送信できるよう、利用中のシステムベンダーへ早めに相談しましょう。
許可申請:今から免税店許可を取得する場合、新様式の公表を待たず、現行の許可申請書で今すぐ申請可能です。電子化対応も済ませておけば、令和8年11月1日に自動的に新制度(リファンド方式)の許可とみなされます。 リファンド方式対応の新様式(令和8年秋ごろ公表予定)は、11月1日以降に新規申請する場合のみ必要です。現行制度との併用移行期間はなく、10月31日で即時切り替えとなります。
スケジュール:システム改修やスタッフ研修には数か月を要する場合があるため、施行前に余裕をもって準備を完了させておくことが望ましいとされています。
参照:国税庁『輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し』/観光庁『消費税免税店サイト(リファンド方式)』
7. インバウンド対策を進める優先順位とステップ
最後に、無理なく進めるための手順を整理します。
ターゲット市場を決める:自店に来る・来てほしい客層(国・言語)を1〜2に絞る。
多言語の最低限を整える:案内・メニュー・決済情報を多言語化する。
決済手段を拡充する:ターゲット市場で使われるキャッシュレスに対応する。
免税・リファンド方式に備える:許可・システム・返金運用を確認し、2026年11月に間に合わせる。
効果測定と改善:来店数・客単価・口コミを定点観測し、施策を磨く。
ポイントは、完璧を目指して止まるのではなく、優先順位の高いものから一つずつ着実に進めることです。
まとめ
インバウンド対策とは、訪日客を迎える「受け入れ体制づくり」。集客と対で考えます。
3本柱は「多言語対応」「キャッシュレス決済」「免税対応」。優先順位をつけて取り組みます。
免税対応は2026年11月1日にリファンド方式へ移行。現行制度との併用期間はありません。
返金対応・POS連携・許可申請の見直しが必要。施行前の早めの準備が安心です。
受け入れ体制の質が、口コミ・リピート・売上に直結します。一緒に準備を進めましょう。
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※税務・申請の最終的な判断は、所轄の税務署や専門家にご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としています。

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