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インバウンド集客を飲食店で成功させるには?外国人客に選ばれる施策を解説

How-to

インバウンド集客を飲食店で成功させるには?外国人客に選ばれる施策を解説

訪日外国人の増加を受け、「インバウンド集客を飲食店でどう進めればよいか」と悩む店舗様が増えています。言語の壁や決済手段、口コミ対策など、やるべきことは多く見えるかもしれません。本記事では、外国人のお客様に選ばれる飲食店になるための基本施策を、公的データをもとに整理します。あわせて、店内飲食とお土産販売で扱いが異なる「免税対応」の考え方、2026年11月に控える制度改正のポイントまで、現場目線で分かりやすく解説します。一緒に準備を進めていきましょう。


この記事のポイント

  • 訪日外国人の飲食費は年間約2兆711億円(2025年・構成比21.9%)で、飲食店にとって大きな市場

  • 集客の柱は「多言語対応」「キャッシュレス決済」「SNS・口コミ・地図対策」「メニュー設計」の4つ

  • 店内飲食そのものは免税の対象外。ただしお土産用の食品(消耗品)は免税販売が可能

  • 2026年11月1日のリファンド方式移行で、お土産の免税対応は手続きが簡素化される見込み

インバウンド集客が飲食店に欠かせない理由

結論から言えば、訪日外国人の「食」への支出は市場として非常に大きく、飲食店にとって取り込む価値の高い需要だからです。観光庁の調査によると、2025年の訪日外国人旅行消費額は9兆4,549億円(前年比16.4%増)と過去最高を更新しました。訪日外国人数も4,268万人(前年比15.8%増)にのぼります。

このうち費目別で見ると、飲食費は約2兆711億円(構成比21.9%)を占め、買物代・宿泊費に次ぐ規模です。訪日外国人(一般客)1人当たりの飲食費は約5万円と推計されており、旅行中の「食事」が大きな支出項目であることが分かります。

費目

消費額(2025年)

構成比

宿泊費

約3兆4,617億円

36.6%

買物代

約2兆5,490億円

27.0%

飲食費

約2兆711億円

21.9%

訪日需要は今後も政府の政策目標(2030年に消費額15兆円)を背景に拡大が見込まれています。飲食店にとって、外国人のお客様をどう迎え入れるかは、売上を左右する重要なテーマになりつつあります。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」

飲食店のインバウンド集客でまず整える4つの基本施策

まず取り組むべきは、外国人のお客様が「入りやすく・注文しやすく・支払いやすい」状態をつくることです。特別な設備投資よりも、次の4つの基本を整えることが集客の土台になります。

① 多言語対応(メニュー・案内・接客)

最初のハードルは「言葉」です。訪日客の上位市場を踏まえ、英語に加えて中国語(簡体字・繁体字)・韓国語のメニューを用意すると、幅広い層に対応できます。すべてを翻訳しきれない場合でも、翻訳アプリや指差し用の対応表、写真付きメニューを併用することで、現場の負担を抑えながらコミュニケーションを取れます。

  • 英語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語のメニューを基本として用意

  • 写真・ピクトグラム(アイコン)で言葉に頼らず伝える

  • 店頭POPや案内表示にも多言語・アイコンを併記

② キャッシュレス決済(クレジットカード・QRコード決済)

外国人のお客様は、現金よりもキャッシュレスを好む傾向があります。クレジットカードに加え、中国圏で普及するQRコード決済(Alipay、WeChat Payなど。QRコード決済=二次元コードを読み取って支払う方式)に対応しておくと、取りこぼしを防げます。決済のスムーズさは、会計時のストレスを減らし、再来店にもつながります。

  • クレジットカード(タッチ決済含む)への対応

  • QRコード決済(Alipay・WeChat Pay 等)への対応

③ SNS・口コミ・地図アプリ対策

外国人旅行者の多くは、来店前にスマートフォンで店を探します。Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)の情報を正確に整え、写真・営業時間・メニューを充実させることが第一歩です。あわせて、InstagramやSNS上での発信、口コミへの丁寧な返信も、来店動機づくりに効果的です。

  • Googleマップの店舗情報・写真・営業時間を最新に保つ

  • SNSで料理写真や店の雰囲気を発信し、検索・回遊を促す

  • 口コミには多言語で丁寧に返信し、信頼を積み上げる

④ メニュー設計(食の多様性への配慮)

宗教や価値観による「食の制約」に配慮したメニューがあると、来店できるお客様の幅が広がります。ハラール(イスラム教で許された食事)やヴィーガン(動物性食品を摂らない食事)、アレルギー表示に対応することで、これまで諦めていた層を取り込めます。すべてに対応する必要はなく、自店で無理なく提供できる範囲から始めるのが現実的です。

  • ハラール・ヴィーガン・ベジタリアン対応メニューの用意(可能な範囲で)

  • 主要なアレルゲン・原材料の表示

  • 辛さや量など、好みに合わせて選べる選択肢の提示

出典:観光庁「インバウンド受入環境整備」

来店を「リピート」と単価アップにつなげる工夫

集客は「一度来てもらう」だけでなく、「満足して単価を上げてもらう・また来てもらう」ところまで設計すると効果が高まります。ポイントは、体験としての価値づくりです。

  • 季節や地域の食材を活かした「ここでしか味わえない」体験の提供

  • セットメニューやおすすめコースで、注文の迷いを減らし客単価を高める

  • 食後に楽しめるお土産(後述の免税対象になり得る商品)の販売

  • 多言語の予約・問い合わせ導線を整え、団体客の受け入れをスムーズに

なお、免税販売や訪日客の受け入れ全般については、

インバウンド観光と免税販売の関係を解説した記事もあわせてご覧いただくと、集客と免税対応のつながりが理解しやすくなります。

飲食店は免税販売できる?「店内飲食」と「お土産」の違い

ここは多くの飲食店様が疑問に感じる点です。結論として、店内で提供する飲食(サービス)は免税販売の対象外です。一方で、お客様が海外へ持ち帰るお土産用の食品(お菓子・お茶・地酒など=消耗品)は、条件を満たせば免税販売が可能です。

免税制度は「日本国内で消費されるものには消費税を課す」という考え方が基本です。レストランでの食事は日本国内で提供・消費されるため、原則として消費税の免除は受けられません。これに対し、国外へ持ち出す物品(一般物品・消耗品)は免税の対象になります。

整理すると

  • 店内飲食(食事・ドリンクの提供):免税対象外

  • 持ち帰り用のお土産食品(消耗品):免税対象になり得る(要件あり)

お土産などの物品を免税販売するには、所轄の税務署から「輸出物品販売場」の許可を受けることが必要です。また、対象になるのは非居住者(日本に住所・居所を持たない外国人旅行者など)で、同一店舗・同一日の購入額が税抜5,000円以上といった要件があります。テイクアウトの箱菓子や地酒をまとめて購入されるお客様には、免税対応が来店・購買の後押しになります。

飲食店の免税可否については、

飲食店や体験型サービスは免税販売できる?(PIE VAT)で詳しく解説しています。免税店そのものの仕組みは

免税店とは?仕組みや手続きを解説した記事もご参照ください。

なお、最終的な免税対応の可否や具体的な手続きは、所轄税務署や専門家にご確認ください。

出典:国税庁「輸出物品販売場制度(消費税免税制度)」

2026年11月「リファンド方式」への移行でお土産免税はこう変わる

免税対応を検討する飲食店様が押さえておきたいのが、2026年11月1日から始まる制度改正です。輸出物品販売場制度は、現行の「購入時免税」から「リファンド方式(輸出物品販売場における新たな免税方式)」へ移行します。

リファンド方式では、店頭ではいったん税込価格(課税)で販売し、旅行者が出国時に税関で持ち出しを確認された後に、消費税相当額を返金(リファンド)する流れになります。飲食店に併設したお土産販売にも関わる主な変更点は次のとおりです。

  1. 店頭は税込価格で販売し、出国時の税関確認後に消費税相当額を返金する仕組みに変わる

  2. 一般物品と消耗品の区分が廃止され、免税梱包(消耗品の特殊包装)が不要になる

  3. 消耗品の購入上限額(50万円)が廃止され、税抜5,000円以上で一括して免税対象を判定

  4. 販売の都度、購入記録情報を国税庁のシステムへ送信し、税関確認情報とあわせて保存する

お土産販売を行う飲食店にとっては、これまで手間だった食品の特殊包装が不要になる点は実務負担の軽減につながります。一方で、レジ運用や価格表示、返金対応の準備が新たに必要です。現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はないとされているため、対応を検討する店舗様は早めの準備が安心です。

制度の詳細は今後の公表資料も踏まえて変わる可能性があります。最新情報は国税庁・観光庁の公式サイトでご確認ください。仕組みの全体像は、

リファンド方式とは?仕組みと概要をわかりやすく解説した記事にまとめています。

出典:国税庁「輸出物品販売場制度(リファンド方式)」

まとめ

飲食店のインバウンド集客は、特別なことよりも「基本の整備」と「制度の理解」が土台になります。要点を振り返ります。

  • 訪日客の飲食費は年間約2兆711億円(2025年)と大きく、取り込む価値が高い

  • 集客の柱は「多言語対応」「キャッシュレス決済」「SNS・口コミ・地図対策」「メニュー設計」

  • 店内飲食は免税対象外だが、お土産用の食品(消耗品)は要件を満たせば免税販売が可能

  • 2026年11月1日のリファンド方式移行で、お土産の免税対応は手続きが簡素化される見込み

  • 免税対応の可否や手続きは、所轄税務署・専門家に確認のうえ進める

よくある質問(FAQ)

Q. 飲食店でも免税店になれますか?

A. 店内での飲食(サービス)は免税の対象外ですが、お土産用の食品など「持ち帰る物品」を販売する場合は、輸出物品販売場の許可を受けることで免税販売が可能です。

Q. 多言語メニューは何語を用意すべきですか?

A. 訪日客の上位市場を踏まえ、英語に加えて中国語(簡体字・繁体字)・韓国語が基本です。写真やアイコンを併用すると、対応言語が限られる場合でも伝わりやすくなります。

Q. キャッシュレスはどれを導入すべきですか?

A. クレジットカード(タッチ決済含む)を基本に、QRコード決済(Alipay・WeChat Pay 等)を加えると、幅広い国・地域のお客様に対応できます。

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