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インバウンド集客はSNSが鍵?訪日客に届く活用法と国・地域別の使い分けを解説

訪日外国人が過去最高を更新し、「インバウンド集客にSNSを活かしたい」という店舗様が増えています。とはいえ、どのSNSを、どの国のお客様に向けて、どう使えばよいのか迷う場面も多いはずです。訪日客の多くは旅行の前後にSNSや動画・口コミで情報を集めており、SNSは免税店・小売・飲食・宿泊の集客に欠かせないチャネルになっています。本記事では、訪日客のSNS利用の実態、中国・台湾・欧米などの国・地域別の使い分け、そして店舗が成果を出すための実践ステップを、公的データをもとに整理します。無理なく続けられる形を一緒に考えていきましょう。
この記事のポイント
2025年の訪日外国人は約4,268万人、旅行消費額は9兆4,559億円と、いずれも過去最高を更新しました。
訪日客は旅行前・旅行中にSNSや動画・口コミで情報を集めており、SNSは有力な集客チャネルです。
中国は小紅書・微信など、台湾・香港はFacebook・Instagram、欧米豪はInstagram・TikTokなど、国・地域で使い分けが必要です。
SNSでの発見から店頭・予約への導線、キャッシュレス・免税対応まで一貫させることが成果の鍵です。
2026年11月のリファンド方式移行を見据え、「免税対応」の発信も集客に効きます。
なぜインバウンド集客にSNSが有効なのか【結論】
結論は、訪日市場が拡大を続けており、かつ訪日客の多くがSNSで旅行情報を集めているからです。まず市場規模を見てみましょう。日本政府観光局(JNTO)によると、2025年の訪日外客数は約4,268万人(前年比15.8%増)と過去最高を更新しました。2026年も上半期(1〜6月)で約2,108万人が来日しています。
観光庁の調査では、2025年(暦年)の訪日外国人旅行消費額は9兆4,559億円(前年比16.4%増・速報値)で過去最高、1人当たりの旅行支出は22.9万円でした。買物代は訪日消費の大きな柱で、免税店・小売にとって見逃せない需要です。こうした来日客との最初の接点になるのが、旅行前後に使われるSNSです。SNSは「発見 → 検討 → 来店・購入」の入口として機能します。
【出典】日本政府観光局(JNTO)『訪日外客数(2025年12月推計値)』(2026年1月21日)https://www.jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html /『訪日外客数(2026年6月推計値)』(2026年7月15日)https://www.jnto.go.jp/news/press/20260715_monthly.html /観光庁『インバウンド消費動向調査 2025年暦年の調査結果(確報)の概要』(2026年3月31日)https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001992584.pdf
データで見る訪日客のSNS・情報収集の実態
観光庁の「訪日外国人消費動向調査」では、SNSや動画投稿サイト、個人のブログ、口コミサイトなどが「出発前・滞在中に役立った旅行情報源」として継続的に調査されています。つまり、SNSやオンラインの情報が、訪日客の意思決定に組み込まれていることが公的な調査からもうかがえます。
重要なのは、国・地域によって使われるサービスが大きく異なる点です。2025年の消費額を国別に見ると、上位は中国・台湾・米国・韓国・香港の順でした。自店の来店実績や狙いたい市場に合わせて、その国で使われているSNSに発信を寄せることが、限られた運用リソースを成果につなげるコツです。
【出典】観光庁『訪日外国人消費動向調査 2024年 年次報告書(第5章 旅行情報源)』https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001884192.pdf / 観光庁『インバウンド消費動向調査 2025年暦年(速報)』(2026年1月21日)https://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_00071.html
国・地域別のSNSの使い分け【一覧表】
SNS集客でまず押さえたいのが、国・地域ごとの「使われているプラットフォームの違い」です。特に中国本土は、Google・Instagram・YouTubeなどが通常は利用できないため、中国向けの独自プラットフォームが接点になります。
国・地域 | 主なSNS・プラットフォーム | 特徴 |
中国本土 | 小紅書(RED)、微信(WeChat)、微博(Weibo)、抖音(Douyin) | Google・Instagram等は通常利用不可。小紅書は購買前の口コミ探索(種草)に強い |
台湾・香港 | Facebook、Instagram、YouTube | グローバルSNSが利用可。繁体字での発信が有効 |
韓国 | YouTube、Instagram、NAVER、KakaoTalk | グローバルSNSに加え、自国プラットフォームも強い |
欧米・豪州 | Instagram、YouTube、TikTok、Facebook | 短尺動画・体験動画による発見(ディスカバリー)が中心 |
たとえば中国からのお客様を狙うなら、小紅書(RED)での発信が有力です。小紅書は旅行前に「どこで何を買うか・食べるか」を調べる用途(種草=購買前の情報収集)で使われており、訪日ショッピングやグルメとの相性が良いプラットフォームです。一方、台湾・香港のお客様にはFacebookやInstagram、欧米豪のお客様にはInstagramやTikTokといったように、狙う市場を決めてから使うSNSを選ぶと、少ない手間で効果を出しやすくなります。
※ 各プラットフォームの利用状況やユーザー数は変化します。運用を始める前に、各SNS公式や最新の調査で状況をご確認ください。
【出典】日本政策投資銀行×日本交通公社『DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査』(2024年10月)https://www.dbj.jp/topics/investigate/2024/html/20241011_205002.html / 各SNSプラットフォーム公式情報。
主要SNS別の特徴と活用のヒント
SNSはそれぞれ得意な見せ方が異なります。自店の商品や体験に合うプラットフォームを選び、投稿の形式を最適化しましょう。無理にすべてを運用するのではなく、まずは1〜2つに絞って継続することが成果への近道です。
• Instagram:写真・短尺動画(リール)で「映える」商品や店内の世界観を伝えるのに向きます。台湾・香港・欧米豪の集客で中心的な役割を担います。位置情報やハッシュタグで検索流入も狙えます。
• TikTok:短尺動画で一気に拡散が起きやすく、体験・実演・開封などの動きのあるコンテンツと相性が良いプラットフォームです。欧米豪の若年層に強みがあります。
• YouTube:やや長めの動画で店舗紹介や使い方、周辺観光との組み合わせを丁寧に伝えられます。旅行前の下調べで視聴されやすい媒体です。
• 小紅書(RED):中国本土のお客様の「購買前の情報収集」に強く、免税ショッピングやコスメ・食品などの口コミ探索で活用されます。
• 微信(WeChat)・微博(Weibo):中国本土向けの定番。ミニプログラムや公式アカウントで、来店前後のコミュニケーションに使えます。
どのSNSでも共通して大切なのは、投稿を「見て終わり」にせず、来店や予約につなげる導線を用意することです。プロフィール欄に地図・予約リンク・多言語メニューのQRコードを置くだけでも、来店率は変わってきます。
【出典】各SNSプラットフォーム公式(Meta〔Instagram〕・TikTok for Business・YouTube・小紅書 等)のビジネス向けガイドに基づく一般的な特徴。利用状況は各公式で最新をご確認ください。
免税店・小売・飲食・宿泊のためのSNS集客 実践6ステップ
SNS集客は、やみくもに投稿するのではなく、順序立てて進めると成果につながりやすくなります。店舗が今日から取り組める6ステップにまとめました。
STEP1 ターゲットの国・地域を決める。来店実績や消費額の傾向から、まず狙う市場を1〜2つに絞ります。
STEP2 その国で使われるSNSを選ぶ。中国なら小紅書・微信、欧米豪ならInstagram・TikTokなど、前章の表を参考にします。
STEP3 多言語で「来店動機」になる投稿をつくる。商品・体験・免税対応・アクセスなど、来店の決め手になる情報を発信します。
STEP4 UGC・口コミを促す。撮影スポットの用意、ハッシュタグの掲示、レビューのお願いで、来店客の投稿が広がる仕組みをつくります。
STEP5 店頭・予約サイトへの導線を整える。プロフィールに地図・予約リンク・多言語メニューのQRコードを設置します。
STEP6 取りこぼしを防ぐ受入体制を整える。多言語接客、キャッシュレス・多通貨決済、免税対応をあわせて用意します。
特に見落としがちなのが、最後の「受入体制」です。SNSで来店動機をつくれても、決済や免税に対応できていないと購入につながりません。日本のキャッシュレス決済比率は2024年に50.8%へ上昇し、政府目標の4割程度を達成しました。訪日客の主要な決済手段への対応は、集客後の取りこぼしを防ぐうえで欠かせません。
【出典】経済産業省『2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました』(2026年3月31日)
https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331006/20260331006.html
各SNSプラットフォーム公式のベストプラクティス。
SNS集客と免税対応をつなぐ:2026年「リファンド方式」への移行
買物は訪日消費の大きな柱であり、「免税対応」は来店の動機になり得ます。ここで押さえておきたいのが、2026年11月1日から始まる「リファンド方式(輸出物品販売場における新たな免税方式)」への移行です(令和7年度税制改正)。
リファンド方式では、いったん税込価格で販売し、外国人旅行者が出国時に税関で持出しの確認を受けた後に、消費税相当額を返金します。SNSで「免税対応」「多言語対応」を発信して来店動機をつくりつつ、新方式に沿った店頭の導線(必要書類や返金の流れ)を整えておくことで、制度移行後も取りこぼしを防げます。集客の入口(SNS)と出口(決済・免税)を一貫させることが、成果を安定させる鍵です。なお、免税手続きの詳細や最終的な判断は、国税庁・観光庁の公式情報や所轄の税務署でご確認ください。
【出典】国税庁『輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し』(施行2026年11月1日)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/format/002.htm / 観光庁『消費税免税店サイト』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00019.html
まとめ
インバウンド集客におけるSNS活用の要点を振り返ります。
• 訪日市場は拡大を続け、訪日客はSNS・動画・口コミで情報を集めています。
• 国・地域でSNSは大きく異なります。中国は小紅書・微信、台湾・香港はFacebook・Instagram、欧米豪はInstagram・TikTokが中心です。
• ターゲットを絞り、来店動機になる多言語投稿とUGCで発見を広げましょう。
• SNSでの発見から店頭・予約への導線、キャッシュレス・免税対応まで一貫させることが成果の鍵です。
• 2026年11月のリファンド方式移行を見据え、「免税対応」の発信も集客に活かせます。
SNS集客とあわせて免税対応を強化したい店舗様へ。
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関連記事
• 【2026年最新】インバウンド対策の補助金とは?店舗が使える制度と申請の流れ
• 【2026年最新】リファンド方式とは?店舗が準備すべきステップ
参考文献(出典一覧)
・日本政府観光局(JNTO)『訪日外客数(2025年12月推計値)』(2026年1月21日)https://www.jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html
・日本政府観光局(JNTO)『訪日外客数(2026年6月推計値)』(2026年7月15日)https://www.jnto.go.jp/news/press/20260715_monthly.html
・観光庁『インバウンド消費動向調査 2025年暦年(速報)及び10-12月期(1次速報)』(2026年1月21日)https://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_00071.html
・観光庁『訪日外国人消費動向調査 2024年 年次報告書』https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001884192.pdf
・日本政策投資銀行×日本交通公社『DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査』(2024年10月11日)https://www.dbj.jp/topics/investigate/2024/html/20241011_205002.html
・経済産業省『2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました』(2025年3月31日)https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250331005/20250331005.html
・国税庁『輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し』(施行2026年11月1日)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/format/002.htm
・観光庁『消費税免税店サイト(リファンド方式)』https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00019.html

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